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アトリエ訪問「竹谷隆之」

Takeya_studio_01大阪鶴橋とダブるその雑多さが自分的には居心地の良さを感じる高架下を歩いていくと、程なく到着する正に「ザ・下町」に世界的にも有名な原型師が居を構えてます。ご存知 竹谷さんですが、その工房への入り口からエエ感じ。
何年前だろう?むかし新宿高島屋で開催したグループ展でご一緒させて頂いた以来なんですが、「向こうは巨匠コッチはペーペー」という図式は今もってそのままの距離を保ち時が経過したって感じ。頑張れ俺!^^;。

Takeya_studio_02日本民家をベースに作業スペースは十分、永くこの家を支えてきたであろうむき出しの梁や使い込まれた床など凄く雰囲気が有り、ここが日本のフィギュア業界を牽引している工房なんだと思うと感慨深い。 何処に視線を向けてもファンなら卒倒モノの造形物ばかり。中には継続中のモノやコレから発表するであろうモノも有り、撮影したところで掲載は出来ません^^;。
まぁ工房を撮影しにきたワケでは無く、イロイロと話が出来れば・・・と言う事がメインなのでその辺は適当に流して会話に集中しましたヨ。同行者はタナベさんとBLESTERサンのお二方、そして自分の4人です。タナベさん、ありがと~♪(彼のセッティングで実現しました)

さて今回WF後に自分が竹谷さん宅を訪問する予定って話は周囲の人間には伝えてました。よって帰阪すると「どうだった?」と聞かれます。自分の返答は主に竹谷さんの人柄についてに終始するわけですが、一言で言えば「マズはご本人が魅力的」・・・ってところでしょうか?ご本人と話をしてみて氏の作るモノの見方が変わりました。

「漁師の角度」

北海道の電波の届かないようなところが出身の竹谷さんにとって、例えば生き物をバラす行為は非日常な事では無いのかもしれないと想像できます。屠殺は人の営みであり、ソレを自らするのはその厳しい環境の中で生きる術、そして家族を持ちコミュニティーを形成するのも「人」・・・といった部分を盛り込んだ作品群だと解釈します。

Takeya_studio_03強い個性を放つヒーローやヒロイン、そしてビランズやクリーチャーなどが独自アレンジで立体化されている氏の携わった「キャラモノ」造形、それらはクールで括弧良いモノが多いです。ソコが人を魅了してるんだろうし、よって支持されているってのは理解できます。竹谷さんの趣味的部分から出てくるのであろうライン取りや特徴の有るフォルムなどはその独自性から異色と言って良く、ソコをして奇才と呼ぶにふさわしいのかもしれません。

しかし自分が感じた竹谷さんと言う人は「ソコが一番の売り」という人では無いのでは?って印象なんです。どちらかと言えばすごくヒューマニストな部分がありそうで、ソコこそが竹谷隆之であり、氏の造形に備わっている一番の魅力なんじゃないかな?と。「漁師の角度」にはそう思えるシーンが複数有ります。また居を構えている場所やその建物など「実生活の拘り部分」を見ていると、世に求められている造形は表層の部分でしか無いんだろうなぁと思っちゃうんですよねぇ。

Takeya_studio_04もちろん何を作っても卓越してますがソコは原型師としての腕の部分、しかし氏はたぶん作家なんだと思いますよ。人が考えたキャラの立体化やソコにアレンジを加えて自分流を表現するのを楽しんでる面も有るとは思いますが、凄いなぁと思うのはやはり自身で世界観を構築したモノです。

人情・情緒・風刺・世相などが反映されているオリジナル作品は「キャラモノ」とは一線を画す魅力が有ると思いました。最初は自分もその造作の上辺を見て竹谷さんの才能に驚愕した者の一人ですが、今回の機会を得て少しだけど氏の人となりに接する事で、それまで「何か有ると思うんだけど何を良いと思って特別視しているのか自分でも判らない」って気持ちに整理がついた気がします。

Takeya_studio_06勝手な思い込みなのかもだけど、ソレが自分から見た竹谷さんなんですよねぇ。超絶造形だからとかデザインが秀逸とかいう面でのリスペクトでは無く、「人としての部分に魅力が有ってソレを独自の造形として投影できる人」ってところが稀有だと思いました。

竹谷さんはあたりが凄く柔らかいです。昨日の記事に書いた森口さんもそんな感じで、この領域の人になるとそうなのかな?という共通した雰囲気を醸し出しています。
マズ圧力が無いです。かといって引き過ぎているワケでも無く、ごく自然体なんですね。自身が周囲に如何に評価をされているのかは有る程度認知しているだろうと思うんですが、ソレをアピールすることも無ければ・・・というより意識していない? 説明しにくい雰囲気なんだけど、言えば「普通」なのかな?^^;。

Takeya_studio_05だから相手が誰だとか、どっちが上だとかも無い感じ。フランクでフラットに話が出来、話し方なんかも相手を尊重した物腰でした。しかし腕は半端ないワケです。こういう人に出会うとやっぱ造形に重要なのは中身なんだなぁと実感できますし、プラス社会性や人を敬う気持ちなど、人として大事な部分が無いと造形に魅力は備わらないんだろうと思えます。

・・・って事で大御所宅訪問その1でした。今回のWF参加はかなり精神的身体的、更には金銭面的にもしんどかったので正直イベント終了後はスグに帰りたいと思ってました。でも滞在して結果的には良かったですね。その晩タナベさんと新宿でお酒を飲みながら造形話をしつつお姉ちゃんを眺めてましたが、コレもまた良かったですヨ(笑)。

そして翌日は別宅へGO!って事で続きますよ~。

(つづく)

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