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TATOO / 刺青

米ワンダーフェスト・コンテストの「AFM賞」と自分達が呼んでいる正式名称は「MOST AMAZING FIGURE AWARD」、字の如く「最もアメージング!だったフィギュア」に送られる賞です(AFMが提供するスポンサー賞なのでこの呼び名)。2013米WonderFestで長年夢だったこの賞を頂くことができました! 獲るに至る経緯がアメージングなんですが、ソコを説明したり、またコレがどんな賞なのかを語りだすと冗長な自慢話にしかならないので割愛します・・・がチョットだけ。

10年掛かりました^^;。

Mafaward後輩に先を越されたり、ソレ以前に金賞さえ獲れなくなってたりとなかなか苦難の道のり。今回は怪物屋およびクロスワークスさんの素敵な計らいで期せずして受賞出来たワケですが、どんな経緯にしろスンゲ~嬉しい!&超感謝です! 自分的には近年マレに見る興奮事なので書き出したら収拾がつかなくなるでしょう。 なのでその事は報告程度に留めといて、今日はその作例に使った塗り方を説明するって感じでお届けします。(コンテストの関連記事は怪物屋のブログに有りますので、興味の有る人はソチラを参照いただければ、と)

さて表題の「TATOO」について。この描き方も良く聞かれる方法の一つです。しかしコレと言って特殊な事をしているワケではなくまた特に難しくもないので、この機会に自分のやり方を載せておきますね。

①素地に下書きをする
②肌塗装後に透過した下書きをなぞる

以上の2工程だけです。肌色を塗った後に全部の処理をする場合、一発で綺麗に描けるなら良いですが修正の度に汚れが増していく事になります。よって肌塗装の前と後の2回に工程を分けて、極力最終仕上がりに汚れを残さないようにします。 図案があればその転写を工程①でしますが「転写」と言っても楽に描き写せる方法なんて無いので見本を見ながら筆描きしてゆくしかありません。なので「転写」では無く「描き写し」ですね。なおその図案が無い場合は自分でデザインするところからになりますが、この「自分でデザインするところから・・・」については後述するとします。

Tatoorevy01マズは見本図案の描き写し。作例はブラックラグーンのレヴィですが・・・きったね~ですね^^;。肌塗装の前だから良いようなものの、肌塗装の後だったらこの汚れが全部肌に付着することになります。ポイントは素地を艶有りにしておくこと。艶有りならばこういった「含浸性の汚れ」は回避できますし、剥ぎ取りによるラインの修正も綺麗にできます。

Tatoorevy02この後に顔料系メインの肌色が乗ってきますがこの色ならそれで隠蔽されることはありません・・・がしかし、仕上がりの色を考えたらもっと明るい色で描いといた方が良いですね。下書きの色が濃い(暗い)と②の工程でキッチリと色を乗せないとイケなくなります。綺麗になぞるだけでも神経を使うのに「色味を調整しないとイケない」という負担も加算されるので、結果やはり満足の行く仕上がりにはなってません。 あと模様の幅がこう見ると狭いですね。キャミィーの足の稲妻模様もそうなんですが、気持ち思っている以上の太さにした方がバランス良く見えます。この辺の感覚は経験を積まないと判らない部分で、レヴィの作例をやっている時もこの方法でやりだした初期の頃・・・って事でご容赦ください^^;。(とにかくトライ&エラーや試行錯誤の回数がスキルに繋がっていくと思ってください)

Tatooritual01次の作例はやまとさんから発売された「リチュアル」です。工程①図案の描き写しはレヴィと同じ作業ですが「素地を艶有り」で、且つ「使う色も明るめ」に設定しました(画像では判りづらいですが、素地はテッカテカのグロスです)。
レヴィのTATOOと違いリチュアルのTATOOは「刺青」に近い雰囲気、またトライバルのような面構成と違って細い線の集合です。よって下書きはアウトラインのみ。下書きはあくまでも「アタリ」なので、細かい細部まで書き込んでしまうとなぞる作業が煩雑になってしまいます。こういうパターンのモノはアウトラインさえしっかりしていれば②の工程はフィーリングで描いた方が上手く行くと判断しました。

Tatooritual02実際その方が手早く、また綺麗に仕上がったのではないかと。ところでこの画像は化粧前ですが既に美人ですね(#^.^#)。TATOOと同じ方法で眉毛やアイラインを肌色の下に仕込んでますが、コレは特に推奨するモノじゃありません。試しに「やってみた」ってだけの事で、普段はやりませんヨ。またやるべきでは無いです(特に眉毛は)。なぜなら描く位地が決まってしまうから。「顔の表情はアイラインとまつげで決まる」と言っても過言では無く、その雰囲気を肌塗装の前に決めてしまうってのは完全にNGです。このリチュアルに関しては上手く行ったから良かったようなものの冷静に考えたら怖いことやってますねぇ^^;。アイメイクは微調整が出来ないとダメなので必ず最後に行いましょう。(追記:最終の雰囲気を掴みたいって意味で先にメイクすること自体はOKですヨ。但し感じを掴めたのならば肌塗装の前には消しておきましょうって事で)

Tatoobyebye01それではBYEBYEのトライバル。「下書き段階では素地を艶有りにした方が良い」と書いておきながら・・・なってませんネ^^;。クリーチャーの場合はそこまで気を使う事は無いのでソレでも良いんですが、お姉系フィギュアにTATOOを描き込む時は「艶有り」推奨ですヨ。このBYEBYEの場合は最初の方に書いた「図案を自分でデザインするところから・・・」にあたります。本来このキャラのTATOOは腕にちょこっとだけです。しかしどうせならシッカリ描いた方が括弧よいだろうって事でお客さんに提案してみました。おかげでデザインを考えなくてはイケなくなりましたが^^;。

作業自体は特に難しくないんですが図案を考えるのは骨が折れましたねぇ。ただこのやり方ならば「いくらでもやり直しが利く」と言う利点があります。画像には仕上がりとは違う図柄が描き込まれてますがコレはいわゆる「没稿」です。しっくり来るデザインが出来るまで幾度と無く描いては消しの繰り返し。なんとかこんな感じかな?ってなったところで下書きの仕上げに入ります。因みに下書きの仕上げは綺麗に、またキッチリとやった方が良いですヨ。この上から肌色が来るから・・・と雑にやっちゃうと仕上がりに影響してきますから。下書きの出来で最終的なクォリティがほぼ決定づけられるので「この上から肌色を塗るのが勿体無い」ってくらいのクォリティまで引き上げておいた方が良いです。

Tatoobyebye02肌色後の工程②真っ最中の画像がありましたので掲載しておきます。分り易いでしょ?こんな感じで最終仕上げをして行きます。ところで「こういう模様ならマスキングで・・・」って思う人が居るかもしれないので一言・・・「やめとけ」(笑)。TATOO(もしくは刺青)は塗料が含浸してボケた感じと、とは言ってもはっきり模様が判るってのが理想です。よってマット(艶消し)の肌色に刷毛塗りで塗料を含浸させながら塗っていかないと雰囲気が出ません。例えば模様をマスクして吹きつけた場合、面のボカシは良い感じに出来ても肝心な「稜線のボカシ」ができませんよね?同じ理由でデカールもダメです。「あざみV2」のキットに封入しておいて(デカール)こんな事を言うのもなんなんですが、それでは「なんちゃってTATOO(もしくは刺青)」にしかなら無いんですヨ。

Tatoobyebye03「TATOOは筆で描き込む」・・・リアリティーを追求する場合は、絶対だと自分は思っています。刺青は針をさして塗料(染料かな?)をソコに流し込んで色素定着させるモノです。つまり肌組織に色を含浸させるって事なので「にじみ」ますよね?マスクやデカールで雰囲気が出ないってのは道理かと。そう思っているのにキットに入れておいたのはV1のあざみの購入者から「刺青が描けない」と良く聞いたからです。折角購入いただいたのにソレが理由で作らない(作れない)って事であれば「なんちゃって」でも有った方が良いかな?って事で。

・・・でもこの記事を読んだら描けますよね?それなりに手間は懸かるんですが、特に難しいわけではありません。また顕著に見る人の評価を得られるところでもありますので、その手間を掛ける価値は有ると思いますヨ。是非トライしてみてください♪

【補足】

使う塗料を書いてませんネ^^;。TATOO下書きと最終仕上げに使う塗料はエナメル塗料です。エナメルシンナーで剥ぎ取るなどの修正が容易だから。①と②の工程の間に入れる肌色がラッカー塗料なので、最終仕上げの段階でも剥ぎ取り修正ができます。なお下書きの後にラッカー(肌色)を1層入れるので、最終仕上げの段階でエナメルシンナーを使用しても下書きが消える事はありません。最終仕上げのあとはラッカークリアー(艶消しor半艶)などでコート(保護)して終了。

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怪物屋の安売りBOX

只今渡米中の怪物屋ですが、連日に及ぶ現地からのブログ更新を見ている人も多かろうと思います。予想で帰国は今週末あたりかな?よって今週末の営業はないだろうと思うんですが、何を持ち帰ってくるのか楽しみですよね~♪ 因みに自分の方もイロイロと忙しくってスケジュールを特に聞いてないので上記はあくまでも予想ですヨ。まぁいずれにしても帰国後スグに店頭にキットが並ぶことは無く、早くても1週間は掛かると思うので月末くらいの営業再開ってのが丁度良いのかも。(それでも買い付けた商品の多くは後発送だから、全ての商品が入荷するまで1ヶ月は掛かるんじゃないかと)

Lowpriceで、私的オススメは旧作ですね。GKは少量生産っても新作なら結構入手の機会も有りますのでそこまで急がなくても大丈夫。その新作が入荷してくるだろうこの時期にねらい目なのが旧作って話。怪物屋の「安売りBOX」の事は来店者であれば知ってると思いますが、商品入れ替えを期にこのBOXに移動される商品も増えるハズ。

画像のは渡米前にGETしたモノですが、ちょっと有りえない価格でしょ?スーパーマンはマケット造形のお手本のようなモデルなんで参考に購入・・・ツカ、雰囲気良すぎ! HOTの素体は足首パーツが無いんだけど100円なら買いでしょ? 出来の良い「植毛HEAD」だけでも価値が有りますからねぇ。故トリムス製マネキンは「モデル体系を忠実に再現する」という趣旨で作られた「レジンの無垢素体」なので汎用性が高く、原型の芯材としても使えますね・・・なんですが、なにより完成品屋的には残りも買い占めたいくらいにアレンジ用素体としてのポテンシャルを秘めてます。チョコっと造作を追加するだけで簡単にオリジナル・フィギュアが出来ちゃいますよ、コレ。ジミーさんのホットロッド系キットも実はあんまり売られていないデッドストック物だし。以上で合計¥3,600なり~♪安っ!!!

今回の米WF前でこの状態なんだから、上記のように新製品が入ってきたらどうなるんでようね?500~3,000に振り分けられるコレらの旧作は、今までアタカスの1/4スタチューのウォリアーやマーミットのBタイプ・エイリアンなんてとんでも商品がありました。そのほかB級モンスタークロックとか今でも有ると思いますし、とにかくコレらは通販除外品なので来店しないと買えない代物です。新作に目が行きがちだけど折角来店したのなら隅々まで良く見て優先順位をつけて購入するのがオススメですヨ。

って事で今日は怪物屋の記事でした。

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Amazing Artist Collection

マズはこの記事を読んで欲しい。もちろん多くの人に知って貰えたら良いなぁと思うんだけど、その前に同業者に興味を持ってもらいたいワケ。言っても商品の充実が大事だろうから。製作者サイドとしてはこういった販売大手がこんなニッチなチャンネルを開いてくれたことに感謝しつつ、「では大いに利用させて頂こう!」って話です。

Aaclogo付き合いがあるから判るんだけど豆さんの販売力は個人ディーラーからしたら桁違いだし、にも関わらず通り一遍なフィギュア屋さんでも無いのは周知の事だと思う。その為に顧客さんの層が幅広く、よって「私が表現したかった事」に共感してくれる人が必ず居るだろうと思います。

豆魚雷の“Amazing Artist Collection”とは、原形師やフィニッシャーなどアーティストが自由な発想で制作する作品を、工場での量産などではなくアーティストが自らの手作業により仕上げた“そのまま”の状態で皆様にお届けするレーベルです。」

と有るように「オリジナルで有る事と自身の手によるワンオフ作品であること」が条件みたいですが、自分のようなオリジナルばっか作ってる人間にしてみたら正に「救いの神」的コンテンツですね。今まで「オリジナルを作っても・・・」と思ってた人、ドンドンやりましょうよ!

Murderchan01って事で早速の第一弾は前回のWFでその系の趣味人を唸らせたあの可愛い子ちゃんが登場です。キットを買えなくて、また存在を後で知って歯噛みした人も多かったんじゃなかろーか?と。価格を見て「高い!」と感じた人は認識をあらためてくださいネ。モノは「量産品では無くワンオフ作品」です。しかも作家自らの手による仕上げがされているワケで、PVC完成品と同列に見てはイケないものなんです。

豆魚雷限定30体 AAC vol.1/ケサランパサラン:マーダちゃん1/6ハンドメイドスタチュー

素材がレジン(ポリウレタン製)なんで、ポリストーンのように経年で変形する事もありません。レジンを素材に使ったスタチューは何処のメーカーも出してない・・・ってのは上代設定がとんでもなく高くなるからなんですが、このマーダちゃんは元々GKなんで。つまり自分達のような「完成品屋」がやっている仕事を商品として一般流通させようって試みで、だからといって製作者サイドの手数が減るわけでも無いって事を考慮すればコノ価格は「安い」です。

また驚きなのがその限定数。「30体」と有りますが、つまりソレをすべてケセランパサランさんが一人で用意するって事と同義です。普通は無理ですね。このクォリティーのモノを30体、数ヶ月で用意するってのは考えるだに地獄かと^^;。あ、安心してくださいヨ。ケセランパサランさんの場合は、コレが現実的な数量だろうと思うので(自分には到底無理って話です)。

しっかしやってくれますねぇ豆さん。そして原田プリスキン!興味の有る原型師さんで、このコンテンツの活用方法などをもっと知りたいって人はともあれ連絡してみては如何でしょうか?

◆AAC問い合わせ・・・infodesk@mamegyorai.co.jp

そら色んな可能性を秘めてるので、ディーラー活動の一環として考慮しといた方が良いと思いますヨ。

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Ray Harryhausen

Harryhausen01「巨星落つ」~5月7日ロンドンにて。御歳92だそうな。死因は不明だそうですが・・・その歳なら老衰?大往生ですね。歴史に名を刻み、皆の記憶に残る偉業を果たし、天命を全うして世を去る。映画になっても良いくらいのお方です。亡くなったのが1週間前なので記事的には遅いんですが、この仕事をやってて触れないわけにもイカナイだろうって事で遅れ馳せながら。ところで画像のメデューサとカリボス、「写真合成?」と思うほど存在感の有るモデルだと思いません?このサイズにして作りこみがかなりのモノだと判断できます。

ハリーハウゼンって人は、今ならLAIKAで有名な「ストップモーション・アニメーション」を更に進化させた「ダイナメーション」と言う技法で一躍名を馳せました。日本風に言えば「特技監督」ってとこかな?しかしてその技法、それでしか表現できないストップモーション・アニメーションと違って今のようなCG技術が進化した世の中に於いては廃れる一方ですよね(どういう技術なのかはwikiで見てください)。

Harryhausen02氏が最後に携わった映画「タイタンの戦い」では、「時代遅れの技術」だと感じる向きも多かった事だろうと思う。既にスターウォーズが有り、未知との遭遇が有り、エイリアンが有ったのだから。とはいえそれまでの第一線であったことに間違いなく、多くの人に夢を与え、指標として映画界に君臨していたのは事実です。これほど多くのモンスター&クリーチャー造形を成した人も希だと思いますし、ソレをしていまだに多くのファンを獲得しているのは、海外のイベントに参加すれば良く判ります。(画像はタイタンの戦いの前作「アルゴ探検隊の大冒険」登場の骸骨兵士)

「この場を借りて哀悼の意を」・・・とまぁココまでは通り一遍的に書いてみましたが、らしくないので自分ごとも併せて書いておきますね(笑)ちょっと昔話になっちゃいますが^^;。

怪物屋に初めて持って言った作例が下の画像の「タロス」。マーメイドという今は無きメーカーのGKです。実はもともと大阪のホビットと言う模型屋さんで大学の頃にバイトをしてまして、その時にGETしたものです。しかし正規品では無く言えば「リキャスト品」なんです^^;。

Harryhausen03当時レジン材質が今のように安定化する前で、また型取り技術も今のように確立されてない時期でした。ソレらの素材を販売する店舗側としては、その使用感を含めて知っておく必要があったんでしょうね?主に「試し打ち」に使っていたのがマーメイド製品でした。ハウゼンもので自分が好きなのはサイクロップスですが、全パーツが揃っていたのがこのタロスだけだったのでコレを譲ってもらいました。その他のキャラは頭だけとか部分的なモノで、モチロン販売などはしてませんでしたヨ。

怪物屋で「何か作ったの見せてよ」と店長に言われたときに、この店に持ってくるのに相応しかろう・・・なアイテムはコレしか持ってなかったんです。実はソレまでにファイギュア(GK)を完成させた事が無かったので、その時に一通り塗り方などを教わりました。自分的にはかなり頑張ったつもりだったこの作例ですが、銅一色で塗られたソレを見て「評価できない」と言われたのを覚えてます。そらそうですよね(笑)。

じゃあ何を頑張ったのかと言うと、ハンドピースによるグラデーションです。そんなのやって当たり前のように思うかもですが、単色のベタ塗りではなく「グラデーションで立体物にコントラスト表現を施す」という概念がそもそも無かった。よってシャドウの入れ方ひとつ判らないところが自分の出発点、更に言えば「ラッカー塗料で塗る」と言う事さえ知らなかったワケで、最初は何を思ったかエナメル塗料オンリーだったんです。

店長に「マズはラッカーで塗るんだよ」と教えてもらい、その後にラッカーのオーバーコートで塗り直したのが画像のモノ。よってこの作例が自分のGK処女作と言う事になりますネ。またコンプレッサーなんて持ってなかった為にハンドピースをエアー缶直結で使っての吹き付けです。エアー缶2本とお湯を用意して1本が結露したら装換、2本目を使っている間に1本目をお湯につけて・・・と言う感じ。今みたいに2万も有ればプロユースの道具が全て揃う時代では無く、コンプを入手するまでは当面この方法で塗ってたワケです。

Harryhausen04怪物屋に出入りしだしてから「世の中には天才って居るんだなぁ・・・」と思ったのが「大山竜」でした。店内ショーケースに展示されていたリスカーの存在感たるや衝撃的でした(しかも原型に彩色したもの)。その精緻で力強い造形をしたのが二十そこそこの若者という衝撃、しかもスラッとしたイケメンだった事に驚きです。こういうのはオタクの趣味だと思っていたわけで、そのイメージとかけ離れたその風貌はホストでも十分務まりそうな雰囲気でした。そういう意味では店長も今のような感じでは無く、ピンクのカーディガンを肩にかけてもしっくりきそうな「ヤング・エグゼクティブ的」な雰囲気でしたし(笑)。

そんな昔話をすると「矢竹君だってそうだったじゃない」とか言われるんですが、確かに今に至るまでにみんな色んなモノを犠牲にしてきてるんだなぁと^^;。

画像は当時エクスプラスがリリースしていたサイクロップスのソフビ完成品(・・・の工場試作品)。原型が竜クンで、彼はこのほかオリジナルテイストの強い「クラーケン」なんかもワンオフ的に作ってました。ハウゼン本人に見てもらって絶賛されたそのクラーケン、画像は持ちあわせてないですが怪物屋の店頭に展示してたと思いますヨ。

って事で本日の記事はレイ・ハリーハウゼンに絡めて私事を書いてみました。

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まじスか!?

しょーもない駄洒落ですみませんが、本日の話題はマジック・スカルプです。その使用感につき各人イロイロと思うところは有るかもですが、個人的にはそのハンドリングに於いてこれ以上に使いやすいエポキシパテは今のところ無いなぁって思ってます。多く使うと体が拒否反応を起こして各部が痒くなる自分でもコレが無くなったら困る。

そのマジスカが市場から消えるらしいって噂がネット上で流布しているらしく、「んなわけあるかい!」と思ってても実際そうだったら困るので確認してみると・・・やっぱそんな事は有りませんでした。まぁそういう話が出回る理由は有るんだろうケド、しかしこのマジスカで商売をしていたところがその噂の発端・・・ってのはあまりにも無責任ではないかと思うわけです。

誰が何を言ったか知らないが、ホライジングに問い合わせれば継続して販売している事はわかるわけです。またモデラーに対して訴求するだけしておいて取り扱わなくなったら「生産中止」ってどういう思考回路かと。営業妨害もよい所だと思いますし、ソレをして今のうちに買っておけと勧めるのは詐欺的ではないかと思うわけです。

今回を期に今後はホライジングも直卸の事なども考えるだろうし、変な枷もはずれて皆さんの手元にはお安く提供されるのではないか?と思います。そんなわけで当面マジスカの購入はホライジングのネット通販とかが一番買いやすい手段になると思いますが、市場から消えるなんて事は無いので安心してガンガン使いましょうね。

ホライジング(マジスカページ)

因みにマジスカの使用について所感も併せて書いときます。自分の原型製作での造形素材のメインはファンドですが、このファンドとの相性もすごく良いです。良くスカルピーとの混合で使う人の話を聞きますが、よって自分はファンドと混合する場合も有ります。切削性と強度がマジスカ寄りになる反面、ファンドの特性(水を使っての再軟化)は無くなります。しかし部位によってはその方が良い場合なども有りますので。まぁだったらそのままマジスカのまま使えば良いじゃん!となりますが、その通りで結局自分もそうする事が多いです(笑)。

だったらなんの意味が有るのか?・・・と言うと、ソコソコの強度が欲しい部分で特にファンドの特性が必要で無い部分にコレを使えば「材料費が浮く」と言う事です。ファンドは安いですからねぇ。また面研に関しても純ファンドに比べてケバ立ちが抑えられて良い感じになります。マジスカの一番良い点は硬化の始まるくらいからのハンドリングの良さでしょうか?硬化時間が長いからか結構な時間造作出来ます。コツを掴めばその経過時間を考慮した造作が可能で、よって造形には必須と思う所以でもあります。

「常温での硬化に時間が懸かりすぎる」と感じるのは自分も同じくなので、そういう場合は食器乾燥機を使って強制乾燥したりします。使う乾燥機にもよるでしょうが、結構な塊でも1時間も入れていればガッチガチになりますし、薄盛なら十数分で切削可能になりますよ。夏場の乾燥機フル回転状態は辛いですが、スカを使ってる人もオーブンフル回転ですよね?どっちもどっちって事で避けて通れない道、ソコは大目に見るって方向で、しかしなんにしても使い勝手の良いパテです。

って事で、書いといた方が良いかな?と思ったんで書いておきましたヨ~。

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F-LIVE2 レポ。

4月の27日・28日に「F-LIVE2」ってイベントがありました。その前に仕事が一段落したんで「すわF-LIVE!!」って感じだったんですが・・・初日に塗装のやり直しの電話が入っちゃいました。イベント終了後からその修正に掛かりっきりで本日やっと終了、更新が遅くなっちゃったって塩梅です^^;。

Flive201って事で遅れ馳せながら、お立ち寄りの皆様ありがとうございました!当日は楽しめましたでしょうか?実演を見て参考になれば、また制作意欲に繋がる一因にでもなれば幸いです。

ココ数回のWFでもそうでしたが、来客者の中にはプロ・セミプロ&目指す人などが混じっており、また熱意を持って見てられる純モデラーの方も多く見受けられたので、その意気に答えるべくその場で出来る限りの事はしたつもりです。それでも足りないと思われた場合はご容赦! 本来数日掛かる作業を数時間に凝縮しているので「隅々まで」と言うわけに行かず、また慣れない実演の所為もあって疲労度はかなりのモノ、よって至らなかった部分も多々あったかと^^;。

ただ最後の最後で拍手を頂いた事はいま思い返しても感極まります。最後までご清聴ありがとうございました!!! 甲斐を感じましたし、皆さんの製作の糸口にでもなれば・・・とあらためて思います。そして「F-LIVE2」の2日間で得た物があったのならば是非実践して自分のモノにしてください。今回は技術的な事を前面に押し出してやらせて頂きました。一見難しそうに見えても「技術」は修練を積む事で必ず習得できますので。

実演中は他のブースの様子を伺うことも敵わない状態でしたので、画像は殆ど開始直後の閑散とした会場風景しかありません。実際は「広い」と感じた会場内がまぁまぁの密度で埋まるくらいは盛況だったと思います。閉会後に「またしたいよね~」的発言が主催者の大山竜クンの方からもありましたので、何時になるか判らない次回ではありますがご期待ください!(って言ってしまって良いのか俺^^;。)

Flive202BLESTER

今や商業では主流となりつつ有る3D造形、その造形ソフトの雄「Z-Brush」の公認インストラクターである「ワダ シンイチ」さんが率いる造形集団のデモンストレーションおよび実体験教室です。そんなお方の直接説明&レクチャーを受けられた今回はナカナカ貴重な機会だったのではないかと。しっかしあのWACOMのでっかいペンタブ、相当お値段張りそうな・・・しかしコレを導入する事でその他いっさいの経費が不要と考えれば選択肢として「超アリ!」かと。だって4ギガメモリ搭載のPCなら動くって話だし、それなら原型1個上げれば元が取れるもの。以降の経費は電気代と人件費のみ!厳しくなってくメーカーからの要望に柔軟に答えられるのに適した3D造形は今後の主流になること間違い無しだしねぇ。ワダさん達とお会いするたびに「コレはやるべき!」と思います・・・なんですけどねぇナカナカ腰がおもくって^^;。

Flive203REFRECT

相変わらずマイペースな吉沢さんはなんか妙にオーラを放ってるというか、その造形以上に本人にカリスマ性が備わってんじゃない?って感じ。また彼女の可愛さがあんま見ないレベル(高次元)なもんだから余計に近寄りがたし!しっかし見るたんびにハイソ感がアップしてってる気がします~(笑)。こういうカリスマ性を備えた原型師が居るってのは業界にとって貴重だと思う。かたや自分みたいに近所のオッサン的親近感を醸し出してる(・・・んじゃないかと自分では思ってんだけど。笑)ようなのばっかじゃ「俺も目指そう!」とはならないんじゃないかと。ほんで竜クンみたいに見た目シュッとしててもその実「変態」的なカリスマも居て業界人口の増加に繋がるんだろうなぁと(笑)。

Flive204当日は「山下しゅんや」さんのイラスト集(新刊)掲載ギャルの顔造作。久しぶりのスカ造形でコツが掴めないとか言ってたけど、2日目にはそのまま使えんじゃね?って位に形になってた。この人やれば早いし上手いのになぁと。・・・って人の事を言ってる場合ではないんだけどね^^;。

Flive205粘土こねブログ

似せ顔を作らせたら国内ではかなりの上位ランクだろう実力の持ち主「山岡」クン。ほんまに上手い!・・・んだけど、その実力を知る物少なし・・・勿体無い^^;。当日は本人お得意の「WAX&NSP造形」と言うハリウッド・ライクな造形スタイルをご披露していた。WAXやNSPは造形素材として海外では主流、しかし日本での馴染みは限定的というコレマタ勿体無い話。その広報活動の尖兵として毎回F-LIVEに参戦です。 造形素材そのものを溶解して型に流し込む事が出来、そこからモールドを足しての密着性も抜群という「超フレキシブルな素材」なんだよ・・・と言う事を知っている人は業界内にも少ないんじゃないかな?

Flive206その有用性をデモできる人は更に少ないわけで、実作業を生で見ることができた今回は貴重な機会だったのでは?と。そんなに知られた原型師では無いにしても、なんかコアなファンを獲得しているらしくそういう先鋭的な部分も面白いなぁ。ところで彼の新作が只今「通販」中ですよ。実力は折り紙つきだし、実際に自分がWFで彼の作品を代行販売したときは瞬殺だったんで、気になる人は早めのアクセスをオススメします(この記事を見た時点で売り切れてる場合はご容赦)。

Flive210真・大山竜の造形とかのブログ。

F-LIVEの首謀者「大山竜」・・・の画像は舎弟「ダリオ」クンの造形物。かなり個性的な子なんだけどマジ上手い!そんで聞けばその造形ジャンルがまたオールマイティで、しかもかなりレベルが高いときたもんだ。画像のモノでもタバコと比較して貰えば判るように極小スケール(恐らく1/35くらい)、にしてこの表現力は只者ではありません。ほんで本人を見るにつけ&話すにつけ「只者では無い・・・」と。良い意味では無く(笑)。

Flive211原型師ってソレら精神面を含めて造形に反映している事が多く彼の場合もそうなんだろうと思うんだけど、その思考回路や行動原理が正直ナゾで説明が出来ないという。まぁ私的に言えば45年生きてきて初エンカウント的ある意味モンスターな若者でした。世の中いろんな人間が居るんだなぁと思うと共に、だから使えないってのとは真逆のスキルを持ち合わせて居るって点でゼネレーション・ギャップを感じますネ。

Flive212そういう意味では画像の彼も変なヤツなんだけどWSCに選出されるくらいの腕前は持ち合わせて居る訳で、しかしこの中にあっては「だから何?」くらいの扱いしか受けていないのが見てて面白い。「竜クンにレクチャーを受けつつ・・・」的画像はぶっちゃけヤラセでは有るが、実質もそんな感じって意味でイメージショットと思って頂きたい。竜クンのジャンルは基本モンクリであり、彼が作って居るのは「初音ミク」。ソレはお前のジャンルなのでは?というツッコミも込みで見て頂きたい(笑)。

ところで現在この「F-LIVE2」のレポートが竜クンとこ(ブログ)ではじまってます。自身の雑感を交えて書かれてるレポは珍しく、彼の人となりや考え方を知る上でも面白い内容になってますので是非!

Flive207いろいろ作ってみましょうか

只今赤丸急上昇中・・・という認識が一般の評価と同じだったら良いと思ってるタナベさん。その実力は知る人には疑いようが無いだろうし、つい先ごろ彼が原型を担当したGeccoのバブルヘッドナースSDCC版(豆魚雷)も2日間で予約完売になってますし。またフルスタイル・クリーチャーをこの2日で良いとこまで造形してしまったのは自力が有るって事の証明かと。

Flive209実際囲んでレクチャーを受けている来場者の多さが一番多かったんじゃないかな? 自分の塗装実演で使用したキットもタナベさんのオリジナルで、コッチも現在「通販」中ですよ~(例のオッサン造形ブツも含めて)・・・って事でそのままウチの実演したアイテム画像も載せときます。

「ヘレサと従者たち」はタナベさんのオリジナル。「その小さなお姫様は産声も上げずに産まれました。ヘレサと名付けられたその子は声だけでなく、目も耳も鼻もいっさい機能していませんでした。 落胆する王様と王妃様、医者達はあらゆる方法を試みますが、全く原因がわかりません。 月日が経ちヘレサが14歳になったころ、ようやく彼女を治すことが出来るかもしれないという者が見つかりました。 王様とヘレサ、家来たちはその者をを訪ねると、その者はすでに準備を終え王様たちが来るのを待っていました。

Flive215・・・そして奥の扉から現れたのは4人の異形の者たち。 それぞれ頭に口しかない者、目しかない者、耳しかない者、鼻しかない者たちでした。 ヘレサの頭にはそのうちの一人が手に持っていた不恰好な装置をつけられ、それによって彼らとコトバを交わすことができるようになりました。 ひとりが見えるものは彼女にも見え、もうひとりが感じた香りを彼女も知ります。彼女が思うことをひとりが喋り、その声はもうひとりが聞き彼女に伝わります。 こうして4人の従者を持ったヘレサは本当の治療法を求め旅立ちました・・・」

Flive208ってな話が前提に有るキャラなんですね。この話、本人は恥ずかしがってキットのインストにしか書かれて無い訳ですが面白いと思いません?なによりソコまで話を作った上でオリジナル造形する人は稀ですし。その話が有るのならその設定に添った彩色を施す必要が有るんですが、今回自分がやったのはあくまでも「技術を使う」という意味での実演だったのでソコは無視です^^;。

初日にはGeccoバブルヘッドナースに施した蛇紋塗装を使った方法で「耳しかない者」を彩色し、2日目に同じ方法の亜流でエイリアンに自分が良くする塗装で「目しかない者」を塗りました。この時に必要な「真綿シート」の製作工程込みで行ったので、ブログ記事だけでは伝わらなかった部分も伝えられたんじゃないかと。まぁ非常に限定的な公開ではありましたが。

そして2日目には主人公のへレサを塗りましたが、眼の書き込みと肌塗装、アイメイクおよびルージュの表現を見たいとのリクエストが有ったのでガッツリ濃い目に塗装してます。よって設定年齢の14歳にはなってねぇだろ・・・なへレサです。そのあと静脈の書き込みとソバカスの表現も見たいって事だったので部分的に施しました。肌質は簡単塗装を基本に置いているので特に凝った事はせず普通に塗装、実演を見て頂いた人なら判ると思いますが4色を使ってもスグに終わります。
フィメールフィギュアに於いて「人が見たときに最も印象付けられるのはアイメイク」と説明しますが、そこが出来れば肌塗装に凝る必要はないと思ってます。あくまでもホビーレベルならと言う前提ですが、ソレが商用でも全然通用するのでスキルアップを目指すのなら「アイメイクに重点を置く」のが良策です。

Flive213・・・ってな感じの2日間でした。開始前は「人が来てくれるのかな?」と思いましたが、結果、会場規模を考えれば丁度良い動員数だったと思います。また遠方から駆けつけてくれた人も少なからず居り、GW中でありながら集まって頂いた事に感謝!いろいろ準備不足はあったのかもですが、それくらいフランクな方がやる方も気負わなくて済むので結果オーライだったと思ってます。また機会が有れば「F-LIVE3」でお会いしましょう!て事で。

Flive214最後の画像は打ち上げで行った日本橋「シンズキッチン」というインド料理屋さん。ココのカレーマジ美味し!ナンとの愛称バッチリで「やっぱカレーはインドだねぇ」とホンマに思う。やっぱスパイス効いてるのが良いですわ~・・・と本文と関係の無い〆で終わって良いのか?という疑問を残しつつこの辺で(笑)。

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