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TATOO / 刺青

米ワンダーフェスト・コンテストの「AFM賞」と自分達が呼んでいる正式名称は「MOST AMAZING FIGURE AWARD」、字の如く「最もアメージング!だったフィギュア」に送られる賞です(AFMが提供するスポンサー賞なのでこの呼び名)。2013米WonderFestで長年夢だったこの賞を頂くことができました! 獲るに至る経緯がアメージングなんですが、ソコを説明したり、またコレがどんな賞なのかを語りだすと冗長な自慢話にしかならないので割愛します・・・がチョットだけ。

10年掛かりました^^;。

Mafaward後輩に先を越されたり、ソレ以前に金賞さえ獲れなくなってたりとなかなか苦難の道のり。今回は怪物屋およびクロスワークスさんの素敵な計らいで期せずして受賞出来たワケですが、どんな経緯にしろスンゲ~嬉しい!&超感謝です! 自分的には近年マレに見る興奮事なので書き出したら収拾がつかなくなるでしょう。 なのでその事は報告程度に留めといて、今日はその作例に使った塗り方を説明するって感じでお届けします。(コンテストの関連記事は怪物屋のブログに有りますので、興味の有る人はソチラを参照いただければ、と)

さて表題の「TATOO」について。この描き方も良く聞かれる方法の一つです。しかしコレと言って特殊な事をしているワケではなくまた特に難しくもないので、この機会に自分のやり方を載せておきますね。

①素地に下書きをする
②肌塗装後に透過した下書きをなぞる

以上の2工程だけです。肌色を塗った後に全部の処理をする場合、一発で綺麗に描けるなら良いですが修正の度に汚れが増していく事になります。よって肌塗装の前と後の2回に工程を分けて、極力最終仕上がりに汚れを残さないようにします。 図案があればその転写を工程①でしますが「転写」と言っても楽に描き写せる方法なんて無いので見本を見ながら筆描きしてゆくしかありません。なので「転写」では無く「描き写し」ですね。なおその図案が無い場合は自分でデザインするところからになりますが、この「自分でデザインするところから・・・」については後述するとします。

Tatoorevy01マズは見本図案の描き写し。作例はブラックラグーンのレヴィですが・・・きったね~ですね^^;。肌塗装の前だから良いようなものの、肌塗装の後だったらこの汚れが全部肌に付着することになります。ポイントは素地を艶有りにしておくこと。艶有りならばこういった「含浸性の汚れ」は回避できますし、剥ぎ取りによるラインの修正も綺麗にできます。

Tatoorevy02この後に顔料系メインの肌色が乗ってきますがこの色ならそれで隠蔽されることはありません・・・がしかし、仕上がりの色を考えたらもっと明るい色で描いといた方が良いですね。下書きの色が濃い(暗い)と②の工程でキッチリと色を乗せないとイケなくなります。綺麗になぞるだけでも神経を使うのに「色味を調整しないとイケない」という負担も加算されるので、結果やはり満足の行く仕上がりにはなってません。 あと模様の幅がこう見ると狭いですね。キャミィーの足の稲妻模様もそうなんですが、気持ち思っている以上の太さにした方がバランス良く見えます。この辺の感覚は経験を積まないと判らない部分で、レヴィの作例をやっている時もこの方法でやりだした初期の頃・・・って事でご容赦ください^^;。(とにかくトライ&エラーや試行錯誤の回数がスキルに繋がっていくと思ってください)

Tatooritual01次の作例はやまとさんから発売された「リチュアル」です。工程①図案の描き写しはレヴィと同じ作業ですが「素地を艶有り」で、且つ「使う色も明るめ」に設定しました(画像では判りづらいですが、素地はテッカテカのグロスです)。
レヴィのTATOOと違いリチュアルのTATOOは「刺青」に近い雰囲気、またトライバルのような面構成と違って細い線の集合です。よって下書きはアウトラインのみ。下書きはあくまでも「アタリ」なので、細かい細部まで書き込んでしまうとなぞる作業が煩雑になってしまいます。こういうパターンのモノはアウトラインさえしっかりしていれば②の工程はフィーリングで描いた方が上手く行くと判断しました。

Tatooritual02実際その方が手早く、また綺麗に仕上がったのではないかと。ところでこの画像は化粧前ですが既に美人ですね(#^.^#)。TATOOと同じ方法で眉毛やアイラインを肌色の下に仕込んでますが、コレは特に推奨するモノじゃありません。試しに「やってみた」ってだけの事で、普段はやりませんヨ。またやるべきでは無いです(特に眉毛は)。なぜなら描く位地が決まってしまうから。「顔の表情はアイラインとまつげで決まる」と言っても過言では無く、その雰囲気を肌塗装の前に決めてしまうってのは完全にNGです。このリチュアルに関しては上手く行ったから良かったようなものの冷静に考えたら怖いことやってますねぇ^^;。アイメイクは微調整が出来ないとダメなので必ず最後に行いましょう。(追記:最終の雰囲気を掴みたいって意味で先にメイクすること自体はOKですヨ。但し感じを掴めたのならば肌塗装の前には消しておきましょうって事で)

Tatoobyebye01それではBYEBYEのトライバル。「下書き段階では素地を艶有りにした方が良い」と書いておきながら・・・なってませんネ^^;。クリーチャーの場合はそこまで気を使う事は無いのでソレでも良いんですが、お姉系フィギュアにTATOOを描き込む時は「艶有り」推奨ですヨ。このBYEBYEの場合は最初の方に書いた「図案を自分でデザインするところから・・・」にあたります。本来このキャラのTATOOは腕にちょこっとだけです。しかしどうせならシッカリ描いた方が括弧よいだろうって事でお客さんに提案してみました。おかげでデザインを考えなくてはイケなくなりましたが^^;。

作業自体は特に難しくないんですが図案を考えるのは骨が折れましたねぇ。ただこのやり方ならば「いくらでもやり直しが利く」と言う利点があります。画像には仕上がりとは違う図柄が描き込まれてますがコレはいわゆる「没稿」です。しっくり来るデザインが出来るまで幾度と無く描いては消しの繰り返し。なんとかこんな感じかな?ってなったところで下書きの仕上げに入ります。因みに下書きの仕上げは綺麗に、またキッチリとやった方が良いですヨ。この上から肌色が来るから・・・と雑にやっちゃうと仕上がりに影響してきますから。下書きの出来で最終的なクォリティがほぼ決定づけられるので「この上から肌色を塗るのが勿体無い」ってくらいのクォリティまで引き上げておいた方が良いです。

Tatoobyebye02肌色後の工程②真っ最中の画像がありましたので掲載しておきます。分り易いでしょ?こんな感じで最終仕上げをして行きます。ところで「こういう模様ならマスキングで・・・」って思う人が居るかもしれないので一言・・・「やめとけ」(笑)。TATOO(もしくは刺青)は塗料が含浸してボケた感じと、とは言ってもはっきり模様が判るってのが理想です。よってマット(艶消し)の肌色に刷毛塗りで塗料を含浸させながら塗っていかないと雰囲気が出ません。例えば模様をマスクして吹きつけた場合、面のボカシは良い感じに出来ても肝心な「稜線のボカシ」ができませんよね?同じ理由でデカールもダメです。「あざみV2」のキットに封入しておいて(デカール)こんな事を言うのもなんなんですが、それでは「なんちゃってTATOO(もしくは刺青)」にしかなら無いんですヨ。

Tatoobyebye03「TATOOは筆で描き込む」・・・リアリティーを追求する場合は、絶対だと自分は思っています。刺青は針をさして塗料(染料かな?)をソコに流し込んで色素定着させるモノです。つまり肌組織に色を含浸させるって事なので「にじみ」ますよね?マスクやデカールで雰囲気が出ないってのは道理かと。そう思っているのにキットに入れておいたのはV1のあざみの購入者から「刺青が描けない」と良く聞いたからです。折角購入いただいたのにソレが理由で作らない(作れない)って事であれば「なんちゃって」でも有った方が良いかな?って事で。

・・・でもこの記事を読んだら描けますよね?それなりに手間は懸かるんですが、特に難しいわけではありません。また顕著に見る人の評価を得られるところでもありますので、その手間を掛ける価値は有ると思いますヨ。是非トライしてみてください♪

【補足】

使う塗料を書いてませんネ^^;。TATOO下書きと最終仕上げに使う塗料はエナメル塗料です。エナメルシンナーで剥ぎ取るなどの修正が容易だから。①と②の工程の間に入れる肌色がラッカー塗料なので、最終仕上げの段階でも剥ぎ取り修正ができます。なお下書きの後にラッカー(肌色)を1層入れるので、最終仕上げの段階でエナメルシンナーを使用しても下書きが消える事はありません。最終仕上げのあとはラッカークリアー(艶消しor半艶)などでコート(保護)して終了。

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